ナインブリックス準備室

オカルト・ホラー専門の古書、DVD販売をしている奴の記録

フィンランド式残酷ショッピングツアー、観ました

ロシア人の母と息子がフィンランドへの買い物ツアーに参加。
早朝貸切のショッピングセンターへ行くが、バックヤードへ続く血痕を息子が発見。
果たしてバックヤードには意識不明のツアー客が。店内に戻るとそこは店員がツアー客たちを襲い、むさぼり喰らう地獄と化していた。果たして親子は生き延びられるのか?いったい何が起きているのか!?

という映画。予備知識なく見た自分としてはけっこう気に入りました。
ただし、Amazonやブログのレビューでは低評価。
ですがこれ、配給側の映画の打ち出し方がミスマッチな気せいでは?と思った次第。

これがホントの 北欧スタイル! ?ありえないシュールさ! ?越境する恐怖と笑い! !
想像を越えるシュールさで、日本中を恐怖と笑いの渦に突き落とす、北欧残酷ホラーショー!


って、これではいかにもグロくてスナッフでゴアゴアでお馬鹿な映画を期待して観る人が多そうじゃないですか。
でも実際にはそんなことないので、そりゃまあ不満に思うことでしょう。私だってこんな宣伝文句を先に見て、そうした内容を期待して観ていたらガッカリしてたはずです。

本編70分くらいなのですが、冒頭に紹介した「店内で客を襲う店員たち」のシーンまでで30分くらいあります。そこまでは母親とティーンエイジャーの息子との不和が延々と続きます。ツアーバスで移動中、という状態なのでハデでもないです。
ただこの辺りもベタですが丁寧に描かれていて、私としてはなかなか好感触でした。どうも母子家庭で別れたらしい父親が死んだばっかりの様子。
息子が母親に「自分を妊娠したのは何歳のときか?」という問いをフックに「どうしてその歳で?本当に望んで生まれたのか?」という核心を尋ね、母親が苛立たしげに話を打ち切るくだりなんかも良かったです。

でまあ、そういう親子の葛藤から事件が起きて決死の逃避行となるわけですが、この映画の山場は2点。

・何が起こっているのかの種明かし
調べればいくらでもネタバレしてる感想が出てくるのですが、これが突飛でバカバカしくて面白かったです。ちゃんとラストの場面への複線にもなってますし。
ぜひ予備知識なしで見てほしいところです。

・ラストシーン
中途半端だの散々な言われようをしていますが、親子の会話から最後への流れ、そして何よりラストシーンでのなんとも言えないもの悲しさはなかなか胸を打つものがあり、一見の価値はあると思います。

ひとまず安全なところまで逃げ延びた親子が打ち解けたような感じで話をしていると幼いフィンランド人の女の子が表れて母親に襲いかかり殺さざるを得ず…。

という場面なのですが、女の子の服装や人を襲う理由をふまえて女の子視点も想像しながら見るとこれはもう実に悲しいシーンです。
下手にそこから先の時間を描くよりも、余韻が残るいいラストでした。

というわけでですね。失礼ながら完全に売り方を間違えちゃったことによる低評価なんじゃないかと。地味なのでどうにか人を呼ぶべくハデな打ち出しになっちゃったのは分かるのですが…。あるいは私の映画の好みがどうかしてるか。

余談ですが『フィンランド式残酷ショッピングツアー』という邦題、インパクト重視でキャッチーなタイトルにしただけかと思ってたんですが、観終わって考えるとなかなか高度なレベルでネタバレさせてるんですね。

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キャビン最大の謎

キャビンという映画があり、一部のホラー好きの間で人気です。
私も観たのですが、これが期待以上に面白い。ホラー好きでない人にもそこそこ楽しめるものだと思うのですが、特に開始から三分の一すぎたくらい以降の展開はホラーが好きなほうが
「そうきたか!」感が強くてより楽しめる映画です。

本当は予告編さえいっさい観ずに予備知識限りなくゼロの方が楽しいのですが、
さすがに不親切なので一応予告編だけ貼っておきます。


で、ここからは観た人向けの話。ネタバレになるので未見の人はいったん借りてくるなりなんなりしてぜひ最大限にキャビンを楽しんできてください。














観ましたか?観ましたね?

さて、KOTAKU Japanのサイトでこのキャビンの元ネタをまとめている動画と、その日本語の説明記事がアップされています。
10分でわかる映画『キャビン』に登場する全てのホラーネタ
でその末尾にこのまとめ動画を作った人の考察が載っているのですが、
なかなかホラー愛に満ちているので引用。

"古代の神とは、映画を見ている私たちに他なりません。何年も何年も同じようなキャスティングで同じような構成のホラー映画を見て喜んでいる私たちです。"
私としては「なぜホラー映画ではお決まりの類型的なキャラが殺されるのか、をホラーの文法の中で説明してみせる」というネタなんだろうと思ってい観ていたのですが、この説もありそうですね。

というわけで元ネタもひととおり判明してスッキリしたのですが、私にとってこの映画で最大の謎は未解明のままです。
作中ではいけにえにされるべき人間は「Athelete(スポーツマン/マッチョ)」「Fool(愚か者)」「Virgin(処女)」「Scholar(学者)」それに「Whore(尻軽女/ビッチ」の5タイプなのですが、
死者ゼロ名で失敗した日本チームは「Whore」ってどうするつもりだったんでしょうか?
観たところ、幽霊とともに教室に閉じ込められていたのは小学女児ばっかりのようなのですがまさか…。

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