ナインブリックス準備室

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「宇宙人の正体」考

日々、この地球へやってくる宇宙人。彼らはいったい何者なのか? という問題について、今日はなるべくもっともらしい説をひねり出してみたいと思います。

宇宙人は他の惑星から訪れる知的生命体、であるとして。加えて以下のような特徴が共通して考えられます。

・技術レベルが地球に比べてはるかに高い
・自分たちの来訪を公示する気はない

つまり宇宙人は技術レベルが大幅に劣った場所へ、ひそかに来訪、滞在しようとしているわけです。ではなぜ、揃いも揃ってそんな振る舞いをするのでしょうか? まずは地球へやってくる目的をいくつか挙げて考えてみます。

・商業目的
宇宙人の母星で希少なもの、あるいは普通の地球の産物が文化的隔たりの大きさから美術工芸品的に価値を持っているものを手に入れるのであれば、秘密裏に滞在するより正面から交易を申し込んだ方が効率がいいはずです。仮に存在を隠して一部政府と裏取引めいたことをするよりも。真偽はさておき、アメリカ人の祖先はガラクタ同然のものやただ同然の金額などで広大な土地をインディアンから買ったそうですし、アフリカのダイヤモンド鉱山や金鉱にしても「秘密裏に」手に入れたものではないでしょう。
存在を明かすと地球人の反発やパニックを招くのでは? という危惧にしたところで、商品に対する代価が支払われてそれ以上のことがなければ長くは続かないはずですし、取引しようという人間や企業だって当然出てくるはずです。

・奴隷化、支配
これも可能性としては低いでしょう。我々でさえ技術の進展によって仕事が機械に置き換わっていき、職にあぶれる人が出てくる始末。はるばる宇宙を旅してくるような技術レベルの存在が、奴隷労働力を必要とするでしょうか? 支配にしても同様で、「影からこっそり」行う必要があるのは支配が公になった際に打倒運動が手に余る場合であって、鎮圧や制圧が簡単な場合はコストをかけて行うような支配形態ではありません。そもそも他国、他文化を支配する動機としての「国力増強」「領土拡大」などは隠密に達成できるものではなく、どこかで植民を開始するなど目に見える活動に転換する必要があります。
まだそうなっていないことを考えると時間のかかり過ぎな感は否めないですし、非我に圧倒的な差があるのなら、そこまでのプロセスをこっそり進める意味もないでしょう。

・啓蒙
行う側からすれば啓蒙、受ける側からは思想弾圧・文化破壊でもありうるわけですが、これも秘密裏に行うよりは圧倒的な差を見せつけつつ交流し、感化していく方が政府やメディア、大企業などを裏から操るといった方法より確実かつ迅速です。現代における「民主化」や近代における「共産主義革命」、あるいはキリスト教における「宣教」などの例を見ても、こうしたことは弾圧が問題にならない限り隠密裏に進めるよりむしろ、大々的に行う方が理に適っているのではないでしょうか。というか、だからこそ様々な企業だって政府だってメディアや予算を使って「一大キャンペーン」を展開したりするわけですし。

これも反発や何かを招きはするでしょうが、啓蒙する側からすれば地理的・技術的な格差から反対運動が実害をもたらすことはないでしょう。また「信じるない者は考慮しない」方式であれば反発する人間は放置、「衆生救済」方式であれば反発する人間も啓蒙の先にある何かを享受させればいいはずです。

・調査、観察
これは自分たちの来訪を隠す動機になりそうです。対象のありのまま、極力自然な状態を調査・観察したければ、自分たちが見ていることを対象に気づかせない方がいいわけです。いくら「普段通りにしていてください」と念押しして、仮に観察対象もそうしようと思っていたところで、やはりどうしても「見られている」という意識は行動に影響してしまいますから。


というわけで、宇宙人たちに共通した態度からは「調査・観察」のために地球へ来ているという説が有望そうに見えます。
じゃあ、なんでそんなことをしに来るのでしょうか。

・審査
SFめいてきますが宇宙人が自分たちのネットワークに地球を加えるのが適切かどうかを審査している、という案。審査であれば審査基準があるでしょうし、惑星単位ですから総体としての地球人類がその基準に合致するかどうか? を審査するはずです。にしては審査に時間がかかり過ぎですね。自力で審査対象がその基準に達する必要があるというような規定があるとしても、一度調査すれば「いつごろ再審査すれば無駄足にならなさそうか」のメドはある程度つくでしょうから、これほど引き続き来訪する必要はないはずです。それに、審査基準として「自力で異星人の存在を反論の余地なく発見する」なんて項目もありそうです。

・観光
これはありそうです。「文化、自然、すべてが未体験! 未開の惑星観光ツアー」なんていう名目でツアーを組むとすれば、そこのありようは極力保全しようとするでしょう。尾瀬とか海外でも国定公園、世界遺産はそうですよね。「手つかずの未開」がウリなら「ようこそ宇宙人ご一行様」なんて事態や、快適に過ごせるような設備が整っていたら興ざめでしょうしね。地球人に目撃される宇宙人がいるというのも、ツアーのルールを守りそこなった観光客によるアクシデントかもしれません。

・学術調査
宇宙人に「文化人類学」にあたる学問があるなら「文化的・環境的に隔たりが大きく、技術レベルが劣る場所(この場合は地球)へ秘密裏に滞在して継続的に調査、観察」するでしょう。思えば近代(に限りませんが)においてヨーロッパの文化人類学者たちはアフリカに滞在し、その文化を研究したものです。さすがに技術的な理由から完璧に現地人のフリをして滞在調査する、というわけにはいきませんでしたが、だからこそ調査で観察し得たことに対して「観察者の存在による影響の可能性」については注意深くあるべき、という自戒が存在していました。もし完璧に現地人になりすませるのであれば、多くの文化人類学者はそうするのではないでしょうか。
この場合、地球全体を総体として研究するだけでなく、個々の文化圏や地域といったローカルなバリエーションについても継続的に調査・研究するはずですので、一度で終わりとはならないはずです。

また、植物学者や動物学者というのもありそうです。正体を隠す重要性は文化人類学ほどではありませんが、自分たちがおおっぴらに接触することでもたらされる技術や文化が生態に影響しないように、という配慮はあるかもしれません。


というわけで、地球は宇宙人にとって観光業的、学術的理由から「干渉禁止地域」となっており、訪れている宇宙人はツアー客、もしくは調査目的の文化人類学、動物学、植物学の学者というのが「もっともらしい」ように思います。あと、それなら違法伐採者や密猟者というのも割合的には少数ながら居るかもしれないですね。

と、ここまで長々と書いてきたわりに(SFの設定だったとしても)同じようなことを書いてる人って絶対にいるんでしょうね…。あと、この説の最大の難点は「宇宙人の目撃・遭遇談からはいっさい裏付けられない」ということですね。まあ「アクシデントによって地球人に見つかってしまった場合の対応マニュアルが定められている。そのとおりの言動をとれば目撃者の証言の信ぴょう性は損なわれ、存在を周囲が信じない」ということでどうにか強弁できなくもないですが。

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